ミュージカルの魅力
歌とダンスで芝居を構成するミュージカルは素晴らしい。
ラ・ラ・ランドやグレイテスト・ショーマンなどミュージカル映画も見事だが、目の前で繰り広げられる舞台演技の迫力を一度味わうと、定期的に劇場まで足を運びたくなるから不思議なものだ。
舞台に集中することで、非日常的な感覚が味わえるのがたまらないのである。
ミュージカルファンにとって、ライオンキングやアナ雪、アラジンなどのディズニー作品から、オペラ座の怪人やウィキッドなどのブロードウェイ作品に至る幅広いミュージカル作品を企画・興行する劇団四季は定番だろう。
テレビCMや電車の広告を見て「一度は見てみたいなぁ」と感じた人も多いはずだ。
斯く言う私も、かねてより劇団四季ミュージカルに興味を持っており 「いざ、観劇へ!」と思い立っては座席をチェックしてきた。
しかしながら、いつもS席やA席が一杯なので「良い席が取れないので、また今度にしよう…」と言い聞かせてあきらめてきた一人だ。
このような状況がしばらく続いた後「今回は絶対チケットを取るぞ!」と一般販売解禁当日にサイトにアクセスしたが、S席がすべて埋まっていることに気が付いた。
「土日や祝日だったからでは?」と思った人に伝えたい。
2回公演も含んだ数か月に及ぶ講演すべての日程でS席はおろか、A席の大半が埋まっていたのだ。
ミュージカルに慣れている人にしてみれば 「当然でしょ!」 と一蹴されてしまいそうだが私には衝撃の事実だった。
公演内容によって例外はあるにしても ”一般販売では、ほぼ確実にS席を確保できない”ということだ。
つまり、席にこだわっていると劇団四季の公演を生涯楽しめないのである。
四季の会とは
「劇団四季の良い座席は、野球のシーズンシートのように業界関係者に買い占められている。」
会社の同僚と冗談交じりに話していたところ「一般販売より前ならS1席でも買えますよ!」と後輩が唐突に教えてくれた。
彼女の話では、”四季の会” に入会すれば一般販売前に先行予約できて、且つ、会員料金で購入できるようだ。
「四季のWEBサイトにそのようなメリットが書いていたけど、一人13,000円するチケットがそんなに売り切れるものなの?」と聞く私。
「四季の会員は全国に20万人以上で、同じ公演を複数回見に行く会員がいるので、S席は一般販売前になくなりますよ!」とのこと。
「普段の仕事でも今みたいに説明してくれれば商談も上手くいくのだが…」と若干モヤモヤしつつ、自身の考えの甘さに反省した。
「都内公演を目的とするフルコース、会報誌ラ・アルプはiPadで読むのでウェブ版にしよう!」と帰宅後すぐに四季会員の仲間入りを果たす。
税込み年間費2200円。
会員割引で購入できるので、S席2人以上で観劇すれば、1回の公演で年会費を還元できるのも嬉しい限りだ。
四季マスターとの闘い
いよいよチケット争奪戦当日。
会員のみの先行販売とは言え、全国20万人を超える四季マスターたちと戦わなければならない。
休日にも関わらず、会社に出勤するかのように朝の支度を終えて午前10時を待つ。
珈琲のおかわりを入れてパソコンを起動したところ、突然アップデートが始まり、四季サイトへのアクセスが数分遅れる。
「少し遅れたが、大丈夫だろう!」とサイトを訪問すると、何たることが 「現在サイトが大変混み合っています。」のアラートが。
109シネマのファーストデイ映画チケットよりひどい状況で、リロードしても全くつながらない…。
グッグってみると、先行予約サイトが繋がらないのはいつものことのようで、慣れている人は電話で席を確保するようだ。
S席のどこでもよければ電話で依頼できるが「記念すべきファースト公演は6列から9列の真ん中22番辺りを確保するのだ!」と何度も接続を試みる。
結局、30分から40分ほど待って先行予約サイトへアクセスできた時には時すでに遅し。
狙っていた席どころか、1階、2階の前方付近の席はすべて埋まっていたのだ。
その時の心境を言葉で表すなら、「ぜったいにゆるさんぞ四季運営の虫けらども!毎度のことならサーバーの帯域を増強しやがれ!!」 だ。
怒りと勢いで退会しそうになったが、明日のランチタイムで事の顛末を伝え、後輩に悟されるのは耐えられない。
「落ち着けフリーザになった私。数分遅れた時点で負けていたのだ…」と慰める。
その後の先行予約では、狙っていた “6列から9列の真ん中付近で5つの人気公演の予約に成功” したが、ネットの接続遅延は今でも続いていて毎度大変だ。
「そろそろ電話予約でもいいかもしれないなぁ…」。