1.5倍広い指定席

1.5倍広い指定席
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さよなら肘掛スペースの戦い

東海道・山陽新幹線の “S Wok車両” をご存じだろうか。

7号車真ん中 (6番から10番) 付近に設定されたビジネスパーソン向け座席である。

車内でのビジネス環境を充実させることを目的としており、COVID-19パンデミック後に定着したオンライン会議も席から参加できる。

多少周りに配慮すれば、携帯での通話もわざわざデッキに移動しなくてもよいのだ。

特に、私が気に入った点は、A席からC席の3列シートの真ん中B席に設置された透明なパーティション

これによって、個人で使える座席スペースが通常指定席の1.5倍に広がるのだ。

訪日観光客が増えことは嬉しい限りだが、混み合う新幹線車内では、ゆったり過ごせない状況に遭遇するリスクが高まった。

とりわけビジネス利用が多い朝方・夕方の時間帯は満席になることが多く、横に座る人の良識次第で旅の気分が大きく変わる。

肘掛けから腕を大きくはみ出してスペースを主張する分別のない人と2時間20分過ごしたい人はいないだろう。

1.5席のスペースが確保されたS Wok車両なら、もはや “肘掛けの攻防戦” に悩む必要はないのだ。

もちろん、パソコンのキーボードを激しく叩く人が近くに座る恐れはあるが、1席分離れるので受けるストレスも小さい。

もし、S Work座席の権利を通販で販売できるなら、通販大手ジャパネットたかたの番組で「何とこの快適さが片道1200円!たった1200円の追加料金で旅の雰囲気が変わりますよ!!」と声高に紹介するはずだ。

新幹線のオアシス

パーティション横のドリンクホルダーに売店で買った珈琲をセットして仕事を始める。

テーブルもパソコンを操作しやすい確度に調整できて快適だ。

列車内でWEB会議や通話ができる座席なので、乗車前はオフィスやカフェのように話し声でザワザワしていると思っていたが、往復で8度利用した限りにおいては、通常の座席とそれほど変わらず、静かで新幹線と忘れるぐらい集中できた。

よく考えてみると、業務関連は基本社外秘なので本来周りに聞かれてはいけないはずだ。

私なら、座席からWEB会議に参加しても、聞くが大半で、意見を話すのは必要最小限にするはずだ。

不遇にも、通話やWEB会議による騒がしい状況に遭遇したら、耳栓、もしくは、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンを装着して仕事や映画、音楽を楽しめばよいのだ。

座席スペースの争いによるストレスは個人の力では何ともならないが、音だけなら解決・低減する手段はいくらでもある

新幹線で移動中、よく喋る人が前後に座っていて疲れを感じた経験がある人もいるだろう。

新幹線7号車真ん中 (6番から10番) 付近に設けられたS Wok座席の “更に真ん中の8番A席” は、前後もビジネスマンに守られた “牛ヒレ肉のシャトーブリアン” のようなプレミアム座席である。

長時間の移動を快適に過ごせるオアシスS Wok シャトーブリアン・シート” も指定席に1200円の追加で支払うだけで確保できることが信じられない。

JR東海でビジネスマン向け移動プランを開発した人も、このプラチナシートの価値に恐らく気づいていないだろう。

EX旅パックの罠

一度 “S Workシート” の快適さを体験すると、悲しいもので新幹線を利用する度に席を探してしまう。

普段は、乗車日程や時刻をスマホのアプリから自由に変更できる “エクスプレス予約 (EX予約)” を使っているが、変更後にS Work席が確保できなくなることを恐れて、今や何度でも変更できるEX予約の強みを捨てるほど、この席に取り憑かれている

私は、新幹線で長い時間パソコン作業をすると乗り物酔いで気分が悪くなるので、東京から新大阪までの2時間20分の内、30分から1時間程度が仕事時間の限界だ。

残りの移動時間の大半は、お弁当を食べたり、本を読んだり、音楽を聴いたりリラックスして過ごしているのだが、出張でのS Work利用目的として「新幹線はオフィス。会議でも電話でもいつでも戦えます!」の体で申請をあげている。

ただ、宿泊を伴う際は、社内規定により新幹線とホテルがセットになったパック旅行を使わなければならない。

経理部門から「EX新幹線とホテルを組合わせた出張は “EX旅パック” で予約するといいですよ!」と教えてもらったので、早速スマホのアプリから予約を試みる。

EX予約と同じく新幹線の7号車S Work座席の確保を試みるが、日程・時刻に関わらずS Work座席が表示されない

砂漠のオアシスを見失うと生きていけないので、我に返ってJR東海EX窓口に連絡してみた。

JRスタッフから「EX旅パックからS Work予約を選んでください!」と説明を受ける。

「EX旅パックでは、新幹線の座席予約でS Workが表示されません!」とS Workマニアの私から状況を伝えたところ、本人もご存じなかったようで、車内で確認いただくことになった。

結論を申し上げると、現時点のEX旅パック予約システムでは、S Workの座席登録できないことが判明した。

つまり、S work座席を予約したい場合、EXで列車を予約、ホテルは別手段で確保の流れになる。

これでは、社内規定を順守する律儀な私には受け入れられない。

JR東海のEX予約システム担当者の方がこのブログを見てくださって、EX旅パックでもS Work座席を確保できるよう改修してほしい。

その代わりと言っては何だが、”S Wokシャトーブリアン・シート” の値段を上げてることも認めようではないか。

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