待ち合わせが難しい駅
新神戸駅から市営地下鉄に乗り換えて約7分。関西の人気観光地三宮へ到着する。
三ノ宮は、JR、阪急、阪神、地下鉄西陣・山手線、地下鉄海岸線、ポートライナーと6つの駅が密集しており、また、それぞれの駅名が複雑なので、観光客や出張者を悩ませるエリアだろう。
先ずJRだが、そもそも三宮市でありがながら、JR三ノ宮駅と三と宮の間に “ノ” が入る。
待ち合わせ場所を友人にメールする際、「JR三宮駅前！」なんて文章を送ると、三宮素人と気づかれてしまうので注意が必要だ。
更に、阪急と阪神は、阪急神戸三宮、阪神神戸三宮と、それぞれ三宮の前に “神戸” を付け足さなければならない。
出身地を聞かれて、兵庫県ではなく「神戸！」と答える住民にとって神戸はブランドなのだ。阪急三宮、阪神三宮など神戸を外すなんて、画竜点睛を欠いた駅名なのである。
これに加えて、地下鉄西陣・山手線三宮駅、地下鉄海岸線三宮駅、ポートライナー三宮駅が近くに存在している。
あまりにややこしいので、ポートライナー三宮駅前で待ち合わせる場合は、「朝9時にポートライナー！」と、最も重要な三宮駅をあえて省略する。
英語の仮定法過去完了形より慣れるのが難しいことをご理解いただければ幸いだ。
ステレオタイプ
このブログが有名になって、三宮駅をテーマにした国語の問題に採用されたら、「ここまで三宮という地名が何回でてきたか？」、「阪急三宮駅、阪急神戸三ノ宮駅、神戸阪急三宮から正しい駅名を選んでくだいさい。」、「なぜ著者は三宮駅周辺の待ち合わせが苦手なのか」といった砂を嚙むような設問が並ぶだろう。
私が受験生なら、1は時間を消費する面倒な問題なのでパス。2は該当なしで確実に正解して、3については、著書は方向音痴だからと無味乾燥な答えを用紙に書き殴るはずだ。そもそも砂を噛むことを想像するだけで気持ちが悪い。
ところで、新幹線はJRなので、三ノ宮駅から新幹線の乗車駅までJRで向かうと想像する人は多いだろう。
斯く言う私もJR三ノ宮駅から1駅先のJR神戸に向い、新幹線のプラットフォームが見つからないことに衝撃を受けた一人だ。
三宮周辺で時間ギリギリまで過ごす観光客なら、新幹線を乗り過ごす悲劇に見舞われるかもしれない。
確実に新幹線に乗りたい人は、ブログ冒頭1行目に書いた通り、JRではなく、地下鉄西陣・山手線三宮駅の9と4分の3番線から新神戸駅へ向かってほしい。もはや、神戸のホグワーツと呼んでもいいぐらいだろう。
出身地は三宮
駅名の謎と言えば、”新がつく新幹線の停車駅” が多いなと感じた人はいないだろうか。
東京駅から九州博多まで、こだま号なら35駅中9駅と、約4分の1の確率で新が着いた駅に停車する。
先ほどの国語テスト妄想で「駅名に新がつく9駅とは何か？」を問いにする方が有益だったかもしれない。
今回はのぞみ新幹線を利用したが、新横浜と新大阪、新神戸は、それぞれ横浜、大阪、神戸と日本を代表する都市で、”新が着かない方の駅” も設置されている。
「日本人でも混乱するのに、外国人観光客にとっては、意味がわからないだろう」と三宮出身の友人に話したところ、「新がつく駅が新幹線、つかない方は繁華街でおすすめの観光地」と説明してくれた。
確かにJR横浜駅とJR大阪駅は納得できる。ただ、JR神戸駅は、神戸の中心地から明らかに外れていて観光地としては弱い。
彼は出身地を聞かれたら、神戸ではなく三宮と答える人間に違いない。
