大阪と神戸を30分でつなぐ高速船

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パンツはどこでも買える

私は関西への出張が多い。

新幹線は快適だが基本的に1人で移動するので、荷物を持ってトイレに行かなければならないことが面倒くさい。

先月の出張では、席を離れて戻ると見ず知らずの人が私の席に座っていた。恐らく指定席特急券を購入していないのだろう。

席を立ってから戻るまで10分もかかっていない間になぜこのようなことが起こるのか信じられないが、目を閉じて狸寝入りをしているおじさんに「席を間違っていませんか?」と声をかけることすら煩わしい。

たまに鞄やパソコンを席や荷物棚に置いて、財布や携帯電話のみ持参して席を離れる人を見かけるが、私には無理だ。

気になってトイレどころではない

今やパンツはコンビニでもどこでも買える。荷物を盗まれるぐらいなら、多少なら失禁した方がましなのだ。

ただ、年を重なると御手洗いを我慢するのは辛い。

新幹線のぞみ号で、新大阪、新神戸までそれぞれ約2時間20分、約2時間40分は地獄である。

しかたがないので、ここ数年は値段次第ではあるが飛行機も利用している。

リムジンバスに乗りたい病

大阪駅周辺が目的地の場合、大阪国際空港 (伊丹空港) から大阪駅までリムジンバスを使っている。

もちろん、空港から大阪モノレールで蛍池駅に向かい、その後、阪急宝塚本線で大阪梅田駅まで電車でも移動できるが、大きめの旅行バックやスーツケースを持って混み合う列車に乗るのは大変だろう。

バス・列車ともに移動時間は45分程度。バスの方が片道200円程度高くなるが、その分目的地までゆったり座って移動できるのはありがたい。

一方、三宮駅周辺に向かう際の飛行機の利用は悩ましい。

東京から最も楽なのは、羽田空港から神戸空港まで飛んで、神戸新交通ポートライナー線で三宮へ向かうルートだが、残念ながらANA便は早朝と夜遅くの2便運航で使い勝手がよくない

普段からLCCに慣れた人なら、便が多いスカイマークがおすすめだが、私は過去のトラウマでLCCをなるべく避けているので、残念ながら選択肢に入らない。

そのため飛行機の場合は、大阪国際空を経由して三宮へ向かうのだ。

空港から市内への移動にリムジンバスを使うと、片道1000円を超える出費が気になるが、一度バスの快適さに慣れると引き返せない

作家の伊集院 静さんは 「便利な物には毒がある」 と言っていたが、私も “空港からリムジンバスに乗りたい病” に罹患しているのだろう。

空港から大阪モノレールで蛍池駅に向かい、阪急宝塚本線十三駅で阪急神戸線に乗り換えて、神戸三宮駅へ移動することもできるので、旅の経験として手間がかかる良薬をお探しの人は試してみるとよいだろう。

骨折り損のくたびれ儲け

「神戸空港発着のANA便がもっと多ければ便利なのに…」とクライアントと話していると、「神戸空港から “ベイ・シャトル” で関西国際空港へ行って、それから羽田空港に移動するのはどうか?」と教えてくれた。

ベイ・シャトルは、神戸空港と関西国際空港を繋ぐ高速船である。

「地図で陸路を横断するルートと比べると、直線の海上移動は確かに近い。」 これは盲点だったっとググってみると、関西国際空港を利用して神戸観光を楽しむ外国人に人気らしい。

片道運賃が1,880円 (往復3,060円) と少し費用が嵩むのが気になるが、「空港と海上桟橋間を無料バスで送迎してくれて、30分程度で移動できるのは便利かもしれない。」と先日早速試してみた。

高速船は1時間毎に桟橋からそれぞれの空港に向かうので乗り過ごすと大変だ。」と焦りながら腕時計を見ると、空港ターミナルから桟橋行きバス時刻まで10分もない。

空港のインフォメーションセンターで乗り場を確認すると1階12番のようだ。

急ぎ下の階に降りたいが、関西国際空港は慣れていないので、エレベーターの場所がよくわからない。

何とかエスカレーターを見つけて1階まで降りたが、何と12番の乗り場は一番端っこだ。

「あと3分。歩くと間に合わないかも。」と少し小走りでターミナルを駆け抜けて送迎バス発車ギリギリで到着。

「次の乗船に間に合いますか?」と係りの女性に聞くと「予約で埋まっているので1時間後になります!」との返答が…。

「関西国際空港のポートターミナルで1時間待った後、ベイ・シャトルで神戸空港に移動すると、羽田空港から神戸空港へ直接移動した時間と30分程度しから変わらない…

きっと、”骨折り損のくたびれ儲け” とはこのことを言うのだろう。

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